ご挨拶greetings

大村智博士
大村智博士

21世紀は環境の世紀であり、人生100年時代である。豪雨災害が頻繁に起きる国土で、100年を生きる智慧が真剣に問われる時代である。そうした中で、足るを知るということと、人間の旬ということが想起される。

足るを知るとは、ブッダの教えであり、老子の言葉でもあるが、石庭で有名な京都龍安寺のつくばいには「吾唯知足」(吾れ唯だ足るを知る)が刻まれている。“足ることを知るものは貧しといえども富めり”ということか。

人間の旬とは、私のエッセイ集のタイトルでもあるが、たゆみなく歩いていけば、いくつになっても「旬の季節」がめぐってくると思っている。そう言えば「風姿花伝」で知られる世阿弥も、「花鏡」の奥段の中で“時々の初心、老後の初心”を説いている。

韮崎大村記念公園は、眺望が拡けており、皆が出会い、触れ合う時空であってほしい。

韮崎大村財団へのご支援とご協力をお願いしたい。

一般財団法人韮崎大村財団
名誉理事長
大村 智
【名誉理事長略歴】

1935年(昭和10年)山梨県韮崎市生まれ。山梨県立韮崎高等学校、山梨大学卒、東京理科大学大学院理学研究科修士課程修了。薬学博士・理学博士。

微生物が生産する天然有機化合物の研究を専門とし、今日までに520種を超える新規化合物を発見。そのうち26種が医薬、動物薬、農薬、研究用試薬として市販され、感染症の予防や撲滅、生命現象の解明、食糧の増産などに貢献している。2015年にメルク社元研究員のウィリアム・キャンベル博士と共にノーベル生理学・医学賞を受賞。同年、文化勲章受章、2001年日本学士院会員、2012年文化功労者、他国内外の受賞多数。

現在、北里大学特別栄誉教授、日本学士院会員、(学)女子美術大学名誉理事長、韮崎大村美術館館長。

大村朔平博士
大村朔平博士

韮崎大村財団の目的は、定款に明示しておりますように、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞し、韮崎市の名誉市民でもある大村智博士を顕彰するとともに、文化的で活力ある“ふるさと創り”に寄与することを目指しており、その一大事業に韮崎大村記念公園の整備・運営があります。

記念公園は、なだらかな丘陵地にあり、左に八ヶ岳、右に富士山、そして真正面には茅ヶ岳が鎮座しており、誠に眺望の良いところに位置しています。

また、記念公園のキャッチフレーズは、“「さと」のこころを育む知の創造と和みの空間”にあり、解体・再生した生家、美術館、温泉、そば処の他に、韮崎市に協力し、今後大村智記念館、畠山記念館から移築する茶室等を整備することを計画しており、完成すれば、復古創新の雰囲気の中で、創造する場とともに出会い、触れ合いの場を提供することができ、まさに智博士のいう“一期一会”が実現できるものと期待しております。

皆さまの絶大なるご支援とご協力を切に希望致します。

一般財団法人韮崎大村財団
理事長
大村 朔平
【理事長略歴】

1939年(昭和14年)山梨県韮崎市生まれ。山梨県立韮崎高等学校、山梨大学卒。永年専業エンジニアリング会社日揮に在職し、化学プラントのプロセス開発に従事。1980年東京都立大学より「新しい蒸留計算法に関する研究」で工学博士の学位を授与。

1997年同社を退社し、(株)システムズを設立し、現在に至る。

近年、地球の温暖化とともに、再生可能エネルギーの開発が叫ばれているが、(株)システムズの業容は主に風力発電、太陽光発電の事業化コンサルティングにあり、北は青森から南は鹿児島迄数多くの発電事業を手掛けている。

当地韮崎市でも、自社事業として太陽光発電を手掛けており、小水力発電も近々手掛けることにしている。著書に「一般システムの現象学」(技報堂出版、2005年)がある。